むかわ町で発掘された日本で初めての恐竜全身骨格「カムイサウルス・ジャポニクス」通称むかわ竜。
発掘・調査を主導した恐竜研究の第一人者、小林快次教授(北海道大学)は「人間の活動による環境破壊で、恐竜絶滅時よりも速いスピードで生き物たちがいなくなっている」と現代の地球の変化に警鐘を鳴らします。
小林快次教授(北海道大学総合博物館)
調査地であるアラスカでは氷河が年々小さくなり、モンゴルの砂漠では湖が干上がってしまった様子も目の当たりにしてきた小林教授。
気候変動は、私たちの身近なところでも如実に表れてきています。
北海道ではサツマイモの作付面積が拡大する一方で、ジャガイモの収量が減っています。ロシア・シベリアでは、夏の間も凍っていたはずの永久凍土がとけて、土台から傾いてしまった家も…こうした地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量を減らすため、風力や太陽光、バイオマスといった再生可能エネルギーへの転換が急務となっています。それが GX(グリーントランスフォーメーション) なのです。
(GX=脱炭素社会に向けて再生可能なクリーンエネルギーに転換していく取り組みのこと)
石狩沖の洋上風力発電
2023年6月に産官学金、21の機関でつくる「Team Sapporo-Hokkaido」が設立されました。北海道が持つ再生可能エネルギーのポテンシャルを最大限に活用し、日本の再エネの供給基地となり、そして、世界中からGXに関する資金・人材・情報が集まる「アジア・世界の金融センター」を目指すためです。
「オタナイ発祥之地碑」とGXの深い関係とは?
番組では歴史研究家の和田哲さんと共に、北海道がもつ再生可能エネルギーのポテンシャルの高さを体感する旅に出ました。
その昔、石炭を全国へ運び出していた小樽の港。ばく大な額のお金が取引されていたことで「北のウォール街」と呼ばれる金融都市・小樽の発展へと繋がりました。
エネルギーや環境について研究する石井一英教授(北海道大学・右)と学生との会話 「GXはなくなる」その真意は!?
翻ってことし6月4日、国は北海道と札幌市を、国際的な金融都市を目指す「金融・資産運用特区」に認定しました。
これまでは「経済」と「環境」はどちらかを立てれば一方が沈むという相反する関係性でしたが、GXは「環境」と「経済」が相乗効果を生む仕組みなのです。海外から輸入された石油や天然ガスに依存する日本のエネルギー。それが国内で賄えるようになれば、地元にお金が落ちるわけです。石井一英教授(北海道大学)は、これからエネルギーを巡る現状がどんどん変わっていく姿を目の当たりにするようになると話します。
実は道内ではすでに、GXの取り組みが動き出している地域があります。
牛のふん尿から電気が生まれる!
そのひとつが十勝の上士幌町です。
酪農や畜産が主産業である町では、家畜のふん尿を発酵させたときにできるバイオガスを燃やして発電機を動かし電力にする「バイオマス発電」に力を入れています。町で作った電気を町で消費する「電気の地産地消」が行われているのです。
ルクセンブルクを視察する秋元札幌市長
ヨーロッパを代表する金融都市ルクセンブルク、GX産業の先進都市デンマークなど海外の取材も盛り込んで、GXによって街が、私たちの生活が、どう変わる可能性を秘めているのかを紐解きます。
今こそ「Be ambitious!」
「Team Sapporo-Hokkaido」の取り組みとGX推進の重要性を幅広い年齢層、特に未来を拓いてゆく子どもたちも興味を持てるよう、わかりやすく解説した番組です。
見逃し配信はこちらから⇒https://www.stv.jp/tv/gx-sapporo/index.html