市民がアイデアを出しあって、森をデザインする「100年先につなぐ森づくり」。
この取り組みを2023年8月19日(土)『どさんこWEEKEND』で放送しました。
2023年の夏、当別町の道民の森で始まった新しい試み。
切っているのは、雪の重みで曲がった木です。
コープさっぽろの「不要になった枝を再利用する」プロジェクトです。
枝は、札幌の円山動物園に持ち込まれました。
アジアゾウのパールは鼻を器用に使って、葉っぱをむしり取って、枝を食べます。
ゾウが棲む野生の環境は、熟したバナナや甘い果物ばかりではありません。
飼育員の方は「ゾウのことを考えると、全部のエサを枝にしたい気持ちもある」と話します。
6月の植樹祭では、北海道を代表する針葉樹のアカエゾマツのほか、ミズナラなど7種類の広葉樹が用意されました。
広葉樹は、針葉樹に比べて、成長するまでに長い年月がかかります。
このため広葉樹は植樹にも使われず、苗木もなかなか手に入りません。
種が売られていなければ、近くの森で種を拾って発芽させます。
コープさっぽろの活動資金は、店でレジ袋を買わなかった人、ひとりにつき0.5円を積み立てて森づくりにあてています。
2017年の植樹会に参加した木村優さん。
当時は5歳でした。手にしているのはホオノキです。
優さんは11歳。
お父さんの木村浩二さんと一緒に、6年前に植えた「ホオノキ」を探しました。
いまは見おろすホオノキですが、あと数年で優さんの背丈を追い越します。
優さんが良かったと感じたのは「植えたかもしれないホオノキが大きくなっていたこと」
父親の浩二さんは「森になるまで何十年かかるかな。また見に来ないとね」と声をかけました。
市民の森づくりをサポートしているのが、コーディネーターの山本牧さんです。
北海道にもともとあった木を適した場所に植えて、その成長を見届けることが大切だと話します。
もともと、この場所は牧草地でした。
どこに何を植えるのか。
みんなで何度も歩いて、アイデアを出し合ってきました。
「クルミ平」「トンボ沢」「ヒバリ―ヒルズ」など地名をつけることで、愛着が増しました。
市民がメインとなる森づくりは全国的にも例がありません。
私たち人間の営みに比べて、森が育つには、長い年月が必要です。
「森に学んで人は育つ」
コープさっぽろの取り組みは、森と人の新しい関わりを教えてくれました。